Q28.太陽光発電の発展に向けた環境整備〈その2〉

  • 2008-10-29 (水) 13:09


太陽光発電の発展に向けた環境整備〈その2〉

産業の整備、その他

[1]太陽光発電産業及び周辺産業の育成
産業の現状は、設備増強投資が必要だが、他産業に比べて生産規模が小さい基盤の脆弱な産業と見られる。
このため、生産設備への投資に対する助成・金融支援、開発技術の実用化に対する助成、及び関連する原材料・設備産業や住宅産業(ユーザー)などの周辺産業に対する太陽光発電用技術開発への支援など、幅広い産業育成が望まれる。

[2]流通の整備
製品多様化への対応やトータルコスト低減のために、販売や流通の多様化や簡素化を促進するとともに、輸送コストを低減できるような社会的基盤の整備が必要である。
具体的にはPV専用配送システム、DIY-ホームセンター販売などの実現が望まれる。

[3]規制緩和と導入促進
太陽光発電は新しい技術であり既存の法令、規則などがこれにそぐわない場合もある。
今後とも改善や導入促進に向けた体制づくり等で継続した努力が必要である。
(例:大量設置に対応するための屋根工事業者の多機能化に向けた規制緩和、システム品質の規格化、施工業者の資格制度検討、自律度向上型システムの導入促進体制、産業廃棄処分場・休耕田などの未利用地での太陽光発電の利用促進体制、地域コミュニティ電源などの利用推進体制などの確立に向けた検討)

[4]リサイクル・リユース体制の構築
寿命を迎えたシステムやモジュールの適正処理に係る悪しき問題が生じないよう、使用後モジュールや中古モジュールのリサイクル・リユースのための社会基盤の整備に向け、今から十分な検討を行っておく必要がある。
また、現状の複合型建材では材料レベルのリサイクルはあまり実施されておらず、また、ユニットごとの取り外しも容易ではない。
太陽電池モジュールのリユースやリサイクルが実現されることで、ユニットごとの回収が可能という点に加え、資源循環・有効利用という点での付加価値が加わる可能性がある。

[5]メンテナンス/サポートセンター
常日頃から太陽光発電システムを良好な状態に保つとともに、万一の不具合や不審な状態が見つかった場合、速やかに対処し適切な処置をすることが重要となる。
そのための方策として、例えば供給メーカーを超越した保全管理サービス体制を組織することが考えられる。

[6]人材育成
太陽電池が事業となった現在では、産業界に基礎技術開発や人材育成を期待しにくい段階に入っている。
今後は、太陽光発電に関する大学講座の新設や研究センター化によって関連分野の教官や研究者・技術者の融合組織を設けていく必要があるとともに、国の技術開発においても専門技術者育成も視野に入れた進め方をする必要がある。

[7]国際協力と途上国への太陽光発電の導入支援促進
太陽光発電の技術開発には、海外諸国との技術情報交換や人材交流、国際的な技術開発協力が今後ますます重要になる。
また、太陽光発電は途上国での生活水準の向上や、温室効果ガスの排出抑制に有効なエネルギー技術であり、京都メカニズムであるCDM(クリーン開発プログラム)やJI(共同実施)、排出権取引に有望な技術オプションでもある。
我が国は、海外市場の確保の観点からばかりでなく、地球温暖化問題、発展途上国の生活水準向上、海外のエネルギー消費を抑制するエネルギーセキュリティ等への貢献を考え、特に、東アジア地域での太陽光発電の導入普及に積極的な役割を果たすべきである。
他方、国際産業戦略の観点からは技術的優位性に基づく国際競争力の維持・確保は非常に重要で、上記の国際的な協力や途上国等への貢献との調和を図る必要があり、今後の国際的な競争と協調について長期的、総合的な視点からの戦略構築が必要である。

出  典 : 2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(PV2030)検討委員会報告書、新エネルギー・産業技術総合開発機構、2004年6月
著作権者 : 新エネルギー・産業技術総合開発機構

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